ある日ママちゃんとお部屋で一緒にくつろいでたのよ。
初夏の日差しがまぶしい午後だった。気持ちのいい風が吹いてきて、
アタシは誘われるようにお外に出たの。
そう、玄関が開いてたの。シメ、シメ、シメリーン!
ママちゃんはアタシがまだ子供で階段を降りれないと思ってたのね。
こんな日のためにアタシ、<ヤミ練>してたのさ!
なぜか今は足が短いから(来年には長くなる予定)降りるのタイヘン。
一歩一歩頑張って降りてった。
お外に出た時の開放感♪やったあ!
首に縄つけられてしょっぴかれるスタイルじゃなくて自由に動けるの♪
大胆になったアタシは車が通る道路も渡っちゃった。
テク・テク・テク・・・う〜ん、気持ちいいぃ・・・
調子に乗ってズンズン歩いてたんだけど、あれっ?
いつもの匂いが消えちゃった。ここはどこ???
ふぇーん、こあああいよぉ!ニーニー、ママちゃぁん、おねえちゃぁん!
このアタシが、どっかの会社の駐車場で小さくなってふるえてた。
「あれ?この小さいのわんこ?」
ちがうわよ!女優のナツミさんよ!
「迷子かな?」
失礼ね、休憩してただけよ。
「きれいにしてるし、飼い主が探してるんじゃないか?」
そうそう、早くママちゃんのとこ連れて行ってよ!
どっかのおじさんがアタシを抱っこして近くをまわって歩いたの。
でも結局交番行き。ひょえぇぇぇー!タシケテクレエェ!
おじさん役立たず!アタシ前科者になるじゃん!って思ってたら
ニーニーが先に交番に連絡してたの。
すぐお迎えが来たわ!おじさん、やるじゃん♪
おしりペンペンされるかな?ってぷるぷるしちゃってた。
後から聞いたら色んなとこ探したらしい、公園・商店街・おウチの押入れ・お風呂に
冷蔵庫!(アタシが食いしん坊だから入ったかもですって!)
得るものが多かった有意義な冒険だったわ。
おじさんはお礼のハムをゲットした。
おまわりさんもアタシを抱っこできてラッキー。
ニーニー達はアタシの大切さを分かったでしょ?
アタシは金色のペンダントを手に入れたわ、電話番号入りの。
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